食事中に食べ物がうまく噛めない〜年齢とともに増える口の悩みと対策

なぜ年齢とともに食べ物が噛めなくなるのか?
加齢とともに食べ物がうまく噛めなくなる主な原因は、歯の喪失・咀嚼筋の衰え・唾液分泌の低下の3つです。これらが複合的に重なることで、噛む力が急速に落ちていきます。
全国健康保険協会(2020年11月)によると、加齢とともに咀嚼筋は経年的に低下する傾向があり、舌や口唇もほとんどが筋肉で構成されているため、筋力低下が咀嚼・発音・嚥下の機能低下に直結します。
大澤一茂歯科医院|茨城・水戸市姫子
食事の際の噛みにくさが気になる方、お気軽にご相談ください。
平日 9:30〜13:00 / 14:30〜18:00|土 9:30〜13:00 / 14:30〜16:30
歯の喪失が噛む力に与える影響

歯を1本失うだけで、噛み合わせのバランスが崩れ、残った歯への負担が増します。特に奥歯(臼歯)は噛む力の大部分を担っているため、奥歯の喪失は咀嚼効率を大きく下げます。
「歯の数」よりも「硬いものが噛みにくい」「お茶や汁物でむせる」「口が渇く」といった口腔機能の低下が、高齢者の健康度により強く関与しているケースが多いです。x
咀嚼筋・口周りの筋力低下
咬筋・側頭筋などの咀嚼筋は、使わないと急速に衰えます。柔らかい食事が多い現代の食生活では、舌・頬・唇の筋肉が十分に鍛えられず、食べ物を口の中で効率よく動かせなくなります。
口呼吸の癖や姿勢の悪さも、筋力低下や噛み合わせへの悪影響につながります(浅井歯科医院コラム、2025年10月)。
唾液分泌の低下(ドライマウス)
唾液は食べ物をまとめて飲み込みやすくする「潤滑剤」の役割を果たします。加齢や服薬によって唾液分泌が減ると、食べ物が口の中でまとまらず、噛みにくさ・飲み込みにくさが増します。
唾液の自浄作用・抗菌作用が低下すると、虫歯や歯周病のリスクも高まります。
噛めないことで体にどんな悪影響が出るのか?
噛む機能の低下は、栄養不足・フレイル・認知機能低下・社会的孤立という「負のスパイラル」を引き起こします。口の問題は全身の健康問題です。
オーラルフレイルに該当する高齢者は、身体的フレイル・サルコペニア・要介護状態・死亡のリスクが、口腔機能が低下していない人と比較して2倍以上高いことが示されています。
栄養バランスの崩れと生活習慣病リスク

硬い野菜や肉・魚が食べられなくなると、食物繊維・タンパク質・ビタミン・ミネラルが不足します。その分、ご飯・パン・麺類などの糖質が多い食品の摂取が増え、糖尿病・高血圧などの生活習慣病の発症や重症化リスクが高まります。
認知機能・心の健康への影響
咀嚼の刺激は脳の血流を増やし、記憶や判断を担う前頭葉や海馬の活動を高めることが脳科学研究で報告されています。噛めなくなることは、認知症リスクの上昇とも関連します。
さらに、口腔機能が低下している人ほど抑うつ傾向や孤独感を感じやすいとする研究結果もあり(e-ヘルスネット)、「人前で食べるのが恥ずかしい」という心理的負担が社会参加の減少につながるケースも少なくありません。
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食べ物が噛めないのは「口腔機能低下症」のサインか?
「口腔機能低下症」とは、咀嚼・嚥下・発音・唾液分泌など複数の口腔機能が低下した状態を指し、2018年に歯科の保険病名として導入されました。
e-ヘルスネット(厚生労働省)によると、2018年から歯科医院で咀嚼・嚥下・発音・唾液分泌など複数の機能を包括的に評価・管理できるようになっています。早期発見・早期介入が、機能回復の鍵です。
口腔機能低下症の主なサイン
- 硬いものが噛みにくい・食事に時間がかかる
- お茶や汁物でむせる(誤嚥のリスク)
- 口が渇く・食べ物がまとまらない
- 滑舌が悪くなった・発音しにくい言葉が増えた
- 食べこぼしが増えた・口の端から食べ物がはみ出る
これらのサインが複数当てはまる場合は、早めに歯科医院を受診することをお勧めします。
オーラルフレイルとの違いは?
「オーラルフレイル」は口腔機能低下症よりも広い概念で、わずかな口の衰えから始まる機能低下の連続的な変化を指します。日本老年歯科医学会は「健康」から「口腔機能障害」までの途中段階に「オーラルフレイル」と「口腔機能低下症」が存在するという見解を示しています(日本老年歯科医学会学術委員会)。
簡易評価ツール「OF-5」なども開発されており、地域の健診や介護予防事業での活用が進んでいます。
噛む機能を支える入れ歯治療の詳細は、こちらからご確認いただけます。
入れ歯で噛む力を取り戻すにはどうすればよいか?
歯を失った方が噛む力を取り戻す最も有効な手段のひとつが入れ歯治療です。ただし、入れ歯の種類や製作精度によって、噛み心地・快適さ・耐久性は大きく異なります。
茨城県水戸市の大澤一茂歯科医院(総入れ歯)では、保険診療・自費診療の両方に対応し、患者さんのお口の状態や希望に合わせた入れ歯を提案しています。特に自費診療では、より精密でお口にフィットする快適な入れ歯を製作することが可能です。
総入れ歯の選択肢〜ブレード臼歯とイボカップ方式

天然歯には歯根があり、面と面でしっかり食べ物を噛めます。しかし入れ歯には歯根がないため、噛んだときの力を受け止める構造がありません。そのため、できるだけ弱い力で効率よく噛める工夫が必要です。
大澤一茂歯科医院が推奨する「ブレード臼歯」は、奥歯の噛み合う面に金属のブレードを取り付けた人工歯です。弱い力でも食べ物を細かく噛み砕けるよう設計されており、粘膜組織への負担を抑えることで長期間にわたって快適に使用できます。入れ歯のぐらつき防止にも効果的です。
また、総入れ歯の床部分には「イボカップ方式」を採用しています。特殊なレジンを加圧補充しながら硬化させることで、高密度・高精度で気泡が少なく、臭いや汚れが付きにくい入れ歯を製作できます。一般的なレジン床と比較して変質しにくく、長く清潔に使い続けられるのが特長です。
部分入れ歯の選択肢〜マグネットデンチャーとコーヌスクローネ
歯が一部残っている方には、部分入れ歯が適しています。大澤一茂歯科医院では2種類の自費部分入れ歯を提供しています。
- マグネットデンチャー…残っている歯根に磁性金属を、入れ歯側に小型磁石を埋め込み、磁力でしっかりフィットさせる入れ歯。ズレやガタつきがほとんどなく、装着・取り外しが簡単。歯根が残っていない方には適用できない。
- コーヌスクローネデンチャー…残った歯を削って内冠を装着し、ぴったり合う外冠で入れ歯を固定する方式。バネがないため見た目が自然で、自分の歯に近い感覚で噛める。
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入れ歯治療で失敗しないための「準備修正治療」とは?
入れ歯を作る前に行う「準備修正治療」は、快適な入れ歯を製作するための重要なステップです。オーダーメイドの衣服を作る際の仮縫いに相当し、患者さんがストレスなく噛める装着状態を整えます。
準備修正治療では、残っている歯の状態・歯ぐきの形・噛み合わせのバランスを詳しく確認します。この工程を丁寧に行うことで、完成後の入れ歯の適合精度が格段に向上します。
定期メインテナンスが快適な噛み心地を維持する理由
入れ歯を作って終わりではありません。お口の中は日々変化し、あごの骨や歯ぐきも少しずつ変化します。大澤一茂歯科医院では、1〜2ヶ月に1回のメインテナンスを推奨しています。
メインテナンスでは噛み合わせのチェックだけでなく、歯ぐきや残っている歯など、お口全体の健康状態を確認します。定期的な調整によって、長期間にわたって快適に噛み続けられる状態を維持できます。
噛む力を維持・回復するために日常でできることは?
入れ歯治療と並行して、日常生活での口腔機能トレーニングも重要です。口の体操・食事の工夫・定期的な歯科受診の3本柱で、噛む力の低下を防ぎましょう。
口腔機能トレーニングの具体的な方法
北海道大学大学院の渡邊裕准教授は、口腔機能向上プログラムとして「噛みごたえのあるおかずを1品加えること」を推奨しています(ロッテ「噛むこと研究室」、2019年)。その1品をしっかり噛んで食べることで、食事における噛む意識が高まります。
- パタカラ発音訓練…「パ・タ・カ・ラ」と繰り返し発音し、舌・唇・頬の筋肉を鍛える
- 強いうがい…口の中全体に水が行き渡るよう力強くうがいし、舌・喉の筋肉を強化する
- 唾液腺マッサージ…耳下腺・顎下腺・舌下腺を優しくマッサージし、唾液分泌を促す
- 姿勢の改善…猫背や骨盤の後傾を改善し、咀嚼筋が十分に働く姿勢を保つ
食事の工夫で噛む力を維持する方法
繊維質の野菜や弾力のある肉類を適切に取り入れることで、咬筋・側頭筋・内外翼突筋などの咀嚼筋がバランスよく鍛えられます。食材の硬さや形状は咀嚼運動の発達に大きく関わります(浅井歯科医院コラム、2025年10月)。
一方で、すでに噛む力が低下している方は、食材を小さく切る・柔らかく調理するなどの工夫も必要です。噛む力に合った食事形態を選ぶことが、誤嚥防止にもつながります。
食べ物がうまく噛めないと感じたら、ひとりで悩まずに専門家へ相談することが大切です。大澤一茂歯科医院では、ブレード臼歯・イボカップ方式の総入れ歯をはじめ、マグネットデンチャー・コーヌスクローネデンチャーなど多彩な入れ歯治療を提供しています。茨城県水戸市赤塚エリアで入れ歯治療をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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よくある質問
食べ物が噛めなくなってきたのはなぜですか?
加齢による歯の喪失・咀嚼筋の衰え・唾液分泌の低下が主な原因です。複数の要因が重なることで噛む力が低下します。早めに歯科を受診して原因を特定することが重要です。
口腔機能低下症とはどんな病気ですか?
2018年に歯科の保険病名として導入された、咀嚼・嚥下・発音・唾液分泌など複数の口腔機能が低下した状態です。歯科医院で包括的に評価・管理できます。
総入れ歯でも硬いものは噛めますか?
入れ歯の種類や製作精度によって異なります。ブレード臼歯を使用した総入れ歯は弱い力でも効率よく噛めるよう設計されており、硬いものへの対応力が向上します。
ブレード臼歯とはどのような人工歯ですか?
奥歯の噛み合う面に金属のブレードを取り付けた人工歯で、弱い力でも食べ物を細かく噛み砕けます。粘膜への負担を抑え、入れ歯のぐらつき防止にも効果的です。
イボカップ方式の入れ歯は何が違うのですか?
特殊なレジンを加圧補充しながら硬化させるため、高密度・高精度で気泡が少なく、臭いや汚れが付きにくい入れ歯です。一般的なレジン床より変質しにくく長持ちします。
マグネットデンチャーはどんな人に向いていますか?
歯根が残っている方に適した部分入れ歯です。磁力でしっかりフィットし、ズレやガタつきが少なく装着・取り外しが簡単です。歯根がない方には適用できません。
入れ歯のメインテナンスはどのくらいの頻度で必要ですか?
1〜2ヶ月に1回を目安に受けることを推奨しています。あごの骨や歯ぐきは日々変化するため、定期的な調整が快適な噛み心地の維持に不可欠です。
噛む力が落ちると認知症になりやすいのですか?
咀嚼の刺激は脳の血流を増やし、前頭葉や海馬の活動を高めます。噛めなくなることは認知症リスクの上昇と関連するとする研究結果があります(e-ヘルスネット)。
水戸市で入れ歯治療に対応している歯科医院はありますか?
茨城県水戸市姫子に所在する大澤一茂歯科医院が、保険・自費の両方で入れ歯治療に対応しています。土曜日診療・駐車場完備で通いやすい環境です。
入れ歯を作る前に準備修正治療が必要なのはなぜですか?
入れ歯が機能する装着状態を整えるための重要なステップです。仮縫いのように口の状態を整えることで、完成後の入れ歯の適合精度と快適さが大きく向上します。
まとめ
食べ物がうまく噛めない悩みは、放置すると栄養不足・フレイル・認知機能低下という「負のスパイラル」に陥るリスクがあります。原因が歯の喪失であれば、ブレード臼歯・イボカップ方式の総入れ歯や、マグネットデンチャー・コーヌスクローネデンチャーなど自分の状態に合った入れ歯を選ぶことが最善策です。準備修正治療と定期メインテナンスを組み合わせることで、長期間にわたって快適な噛み心地を維持できます。まずは歯科医院に相談し、口腔機能の現状を把握することから始めましょう。
当院の症例紹介
大澤一茂歯科医院|茨城・水戸市姫子
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著者情報
院長 大澤一茂

歯学博士・顎関節咬合学会専門医として、国内外の数多くの学会へ参加しています。論文発表や症例発表も積極的に行い、シーラシステムの啓蒙活動も実施。また、著書も数多くあり、精力的に知識や技術の研鑽を続けています。
経歴
1983年城西歯科大学(現:明海大学)歯学部卒業
同大学歯周病学教室入局
1995年歯学博士(学位取得)
1999年日本顎咬合学会認定医
2003年国際口腔インプラント専門医学会(ICOI)認定医
2007年日本顎咬合学会指導医
2009年近未来オステオインプラント学会(IPOI)指導医
資格
日本顎咬合学会認定医
日本顎咬合学会指導医
近未来オステオインプラント学会(IPOI)指導医
所属学会
スタディグループSAEY
日本顎咬合学会
近未来オステオインプラント学会(IPOI)
国際口腔インプラント専門医学会(ICOI)


